9月は世界アルツハイマー月間です
認知症とは、どういうものなのか。どう向き合えばいいのか。
よくある疑問から、ご本人が見ている世界まで。
認知症を知るための入口を、この1ページに集めました。

認知症世界の歩き方 特設ポータル / 主催:issue+design
誰もが抱きがちな疑問に、ひとつずつ答えます。
気になるところを開いてみてください。
1,000万人超
2050年の認知症のある人(予測) 出典:新オレンジプラン(厚生労働省)3人に1人
2050年、65歳以上のうち認知症のある人 出典:同上6割近く
85歳以上で認知症のある人の割合 出典:厚生労働科学研究費補助金 認知症対策総合研究事業日本神経学会の定義では「一度正常に発達した認知機能が、後天的な脳の障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすようになった状態」とされています。つまり、脳の病気によって毎日の生活に支障が出る状態のことです。
ただし、何もできなくなるわけではありません。今までどおりにできなくなること、難しくなることはありますが、それは原因となっている脳の機能のトラブルによるもの。誤ったイメージや偏見は捨てて、正しい知識を学び、適切に対処することが大切です。
最大の原因は加齢です。年齢別の有病率を見ると、認知症が加齢に伴って発症する病気であることがわかります。
原因となる病気は70以上あるといわれ、そのうち最大のものがアルツハイマー型認知症で約7割。脳血管性認知症、レビー小体型認知症とあわせた三大疾患で約9割を占めます。
アルツハイマー型やレビー小体型など多くの認知症は、徐々に進行し、根本的に治す方法はまだ確立されていません。ただし進行を抑える薬はいくつもあり、症状の進みをゆるやかにすることは十分に可能です。そのためにも、早い段階で見つけて、早めに治療を始めることが大切です。
治るタイプの認知症もあります。原因となっている病気を治療すれば、治る・軽くなるケースが全体の7%ほどあるといわれています。せん妄、うつ病、てんかん、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などがこれにあたります。「年のせい」と決めつけず、まず受診してみてください。
発症のリスクを高める要因は分かってきていますが、その大半は飲酒・喫煙・高血圧・運動不足など、生活習慣病の原因と同じもの。つまり予防といっても「健康的な生活を送る」ということに尽きます。85歳以上の方の半数以上が認知症とともに生きることを考えると、過度に恐れて根拠の薄い「予防」商品に飛びつくより、備えておくほうがずっと現実的です。
備え その1|正しい知識を身につける。誤った認識や偏見を捨て、正しく理解しておくこと。それだけで、いざというときの不安はずいぶん減ります。
備え その2|ともに歩む仲間と、生きがいを育む。危険因子の3番目に挙がっているのが「社会的孤立」です。人との交流や生きがいのある暮らしは、発症のリスクを下げ、認知機能の低下を抑えるという研究があります。やりたいこと、楽しみたいことを、いまから増やしておきましょう。
出典:Livingston G, et al. Lancet. 2020; 396: 413-446
脳のはたらきの変化によって、暮らしのなかで次のようなトラブルが起こることがあります。『認知症世界の歩き方』では、これを10のトラブルとして整理し、それぞれを物語として描いています。
認知症は個人差がとても大きい病気です。すべての人がこれらを経験するわけではなく、症状は人によって違います。
なお「徘徊」「物盗られ妄想」といった否定的な言葉だけが広まってしまっていますが、その背景には必ず、ご本人の戸惑いや不安があります。行動だけを見るのではなく、その理由に目を向けることが大切です。
まず、専門職に相談してみましょう。「認知症かもしれない」と思っても、どこに相談すればいいか分からず、先延ばしにしていませんか。早い段階で相談することは、これからを一緒に歩む仲間をつくる第一歩です。相談先は、顔なじみのかかりつけ医、市区町村の高齢者福祉・介護保険の窓口、地域包括支援センターなど。
誰かに打ち明けてみましょう。全員に話す必要はありません。ひとりでも状況を知ってもらえると、気持ちはずいぶん楽になります。身近な人に話しにくければ、面識のない相談窓口から始めてもかまいません。
「できること」と「難しいこと」を、まわりと共有しましょう。できることを続けるのは、自分らしく暮らすためにも、認知機能を保つためにも大切です。難しいことは、ひとりでがんばらずに伝える。「ひとりではできないこと」を「一緒ならできること」に変えていけます。
お住まいの自治体などから、さまざまな支援を受けられます。ひとりで抱え込まず、使える制度は使いましょう。
医療費/高額療養費制度。ひと月の自己負担額には年齢や収入に応じた上限があり、超えた分は手続きをすれば戻ってきます。医療費と介護費が重なったときの高額介護合算療養費制度もあります。
毎日の暮らし/介護保険。40歳以上の方が加入する制度で、買い物や掃除の手伝い、通いの場の利用などが受けられます。使うには市区町村への申請が必要です。
お仕事/傷病手当金、失業給付、障害年金。65歳未満で発症した場合も、利用できる制度があります。
制度は複雑で分かりにくいものです。市区町村の高齢者福祉・介護保険の窓口、または地域包括支援センターに問い合わせてみてください。
人生100年時代を生きるいま、認知症とともに生きることは、日本人誰にとってもごく普通のことになりつつあります。
認知症の基礎知識を、もっと詳しく読むご本人が見ている世界を、旅するように体験する。
それが『認知症世界の歩き方』です。

14のストーリー
記憶をなくしてしまうバス、顔がわからなくなる村、時間の流れが変わる宮殿。認知症のある方が生きる世界を、14の物語として描きました。ご本人の視点に立って、その世界を歩いてみてください。

本で学ぶ
シリーズ累計30万部。認知症のある方100人を超えるインタビューをもとに、ご本人の視点を旅のガイドブックとして描いた1冊です。暮らしに活かす『実践編』、仕事の場面に向けた『ビジネスパーソンのための』もあります。


映画
『認知症世界の歩き方』が実写映画になります。ルー大柴が主演を務め、2027年2月5日(金)に全国公開。観たあとに誰かと話したくなる、父と息子の物語です。
観るだけで終わらせず、感想を交わすところまでをひとつの体験に。職場や地域での鑑賞会にもお使いいただけます。
[映画公式サイトのURLを記入]いちばん確かな広がり方は、ひとりに伝わることです。
ご自身やご家族のことで気になることがあれば、
ひとりで抱えずに相談してみてください。
まずは、気軽に
旅のせんぱいA.I.に聞いてみる
ひと足先に認知症世界を知っている「旅のせんぱいA.I.」に、認知症の気になることや暮らしの困りごとを、いつでも気軽に尋ねられます。誰かに相談する前の、ひとりで考えている段階でも大丈夫です。
せんぱいA.I.に相談する
お困りごとから、相談先を選べます。
こんなときもの忘れが気になってきた
専門の受診が必要かどうか、判断してもらえます。
こんなとき親の様子が、少し心配
市区町村に必ずある高齢者の総合相談窓口。無料です。本人が受診をいやがる場合の関わり方も教えてもらえます。「(市区町村名) 地域包括支援センター」で検索を。
こんなとき診断を受けた。これからが不安
都道府県・指定都市が指定する専門医療機関。診断、急な症状への対応、かかりつけ医との連携を担っています。
こんなとき同じ立場の人と話したい
ご本人やご家族が集まり、経験を分かち合う場です。
こんなときお金や制度のことが心配
介護保険のほか、医療費の上限を定めた高額療養費制度など、使える仕組みがあります。
こんなとき仕事を続けられるか不安(65歳未満)
各都道府県に配置されています。傷病手当金・失業給付・障害年金などの制度も使えます。