その2 本人の見えている世界を、体験する

認知症世界を、旅する

ご本人の声をもとにできあがった14の物語で、
認知症のある方が見ている世界を、歩いてみてください。

はじめに

認知症世界の歩き方とは?

ここは認知症世界。あなたは、この世界の玄関口・ディメンシア港にたどり着いた旅人です。これから、認知症世界の旅が始まります。

認知症とともに生きる世界では、不思議な体験をする乗り物や店、出会ったことのない民族、想像を絶する風景が次々と目の前に現れ、誰もがいろいろなハプニングを体験します。認知症のある方が経験する出来事を「旅のスケッチ」と「旅行記」の形式でまとめたストーリーが、『認知症世界の歩き方』です。

プロジェクトの背景

本プロジェクトの構想の基礎となっているのが、認知症未来共創ハブが実施している、認知症のある方 約100名へのインタビューです。当事者の思い・体験と知恵を中心に「認知症とともによりよく生きるいまと未来」を創ることを目指す活動の、中核として進められているものです。

認知症のある方の心身には、どんな問題が起きているのでしょうか。その結果、いつ・どこで・どんな状況で、生活のしづらさを感じているのでしょうか。

いざこうしたことを調べようとしても、これまでに出版された本やインターネットで見つかる情報は、どれも症状を「医療従事者」や「介護者」の視点の難しい言葉で説明したものばかり。肝心の「ご本人」の視点から、気持ちや困りごとがまとめられた情報は、ほとんど見つからないのです。

わたしたちは、この大切な情報が不足していることが原因で、多くの人の認知症に関する知識やイメージに偏りが生まれ、ご本人と周りの方の生きづらさにつながっていると考えました。そこで、当事者インタビューのデータをもとに、認知症のある方の声を分析・構造化することに着手。認知症のある方が心と身体に抱えるトラブル・障害を「44の心身機能障害」として整理しました。

このプロジェクトに込めた思い

こうして、認知症のあるご本人の声をもとにできあがった14のストーリーが『認知症世界の歩き方』です。ストーリーには、暮らしの中のさまざまな場面で引き起こされる「148の困りごと」と、その背景のひとつとして考えられる「44の心身機能障害」が結びつけられています。

認知症は「今のところ」は、医学的に治す方法はない、という事実があります。しかし、「本人の視点」から認知症を学び、生活の困りごとの背景にある理由を知ることで、「付き合い方」や「周りの環境」は変えることができるはずです。

認知症のある方が生きている世界を、もっと自分も知りたい。この超高齢社会の日本に、もっとその世界を想像できる人が増えることで、変わることがあるに違いない。本プロジェクトが、認知症とともに幸せに生きる未来をつくるための手がかりとなれば幸いです。

14の物語

認知症世界の歩き方 ストーリー

それぞれの物語を、本編で読む

14の物語の全文は、書籍『認知症世界の歩き方』でもお読みいただけます。

旅を終えたら

書籍でじっくり学ぶ。仲間と学ぶ。困ったときに相談する。
次の一歩は、トップページにまとめてあります。

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